映画『ザ・タワー』あらすじ・感想|ブラックホールに包まれたマンションで人間社会が崩壊していく
目次
ザ・タワー
- 映倫区分 PG12
評価☆☆★★★
フランス発のサスペンスホラー映画『ザ・タワー』。
何気ない日常が一瞬で“閉ざされた世界”に変わるという作品です。
外に出た瞬間に消える黒い闇。
その正体よりも、追い詰められた人間たちの行動の方がずっと恐ろしい。
極限の状況に置かれた人間の狂気を大胆な発想で描くSFシチュエーション・スリラー映画です。
ジェラルメール国際ファンタスティック映画祭、シッチェス・カタロニア国際映画祭など世界の名だたるファンタ系映画祭への出品もされ評価を受けた今作の監督は、映画『ストーン・カウンシル』や映画『この世の果て、数多の終焉』などのギョーム・ニクルー監督です。
今回はそんな異色の密室劇『ザ・タワー』を紹介します。
ということで、最後まで読んでいってくださいね!
原題|
LA TOUR(英題:LOCKDOWN TOWER)
監督|
ギョーム・ニクルー
制作|
Unite=Les films du Worso
製作国|
フランス
配給会社|
クロックワークス
日本公開日|
2024年4月12日
上映時間|
1時間25分
公式サイト|
ザ・タワー公式ページ(クロックワーク公式サイト)
(クリックするとサイトに飛びます)
ホラー映画 暴力描写 出血描写 飢餓・死体描写 一部性的表現(軽度) 社会差別的要素を示唆する演出
あらすじ
様々な人種が住むフランス・パリの高層団地。
いつもと変わらぬ朝を迎えたアシタンは、突然外の世界が何もない暗闇になって何も見えなくなっていることに気が付く。
その“闇”に物を投げ入れると物体は消滅し、体が触れるとその部分が鋭利な刃物で切られたように消えてなくなってしまう。
テレビやラジオの電波は途切れ、携帯電話も圏外となっているが、なぜか電気と水道は使用可能だ。
原因不明の“闇”のせいで、建物の中に足止めされる団地の住民たち。
外の世界と遮断され閉じ込められたままの彼らは、知り合いや人種ごとの小さなグループを形成していく。
秩序は崩壊していき、希望が見えず徐々に正気を失っていく中で、彼らが選んだ“生きるため”の方法とは ─。
登場人物
アシタン

画像:© 2022 LA TOUR / Les Films du Worso
演|アンジェレ・マック
主人公の女性。
高層団地の住人の一人。
アーマッド

画像:© 2022 LA TOUR / Les Films du Worso
演|ハティック
建物内で起こる対立やサバイバルの中で、アシタンとともに過ごす若めの住人。
シャキブ
演|アーメド・アブデル・ラウィ
下層階の住民で、とあるグループをまとめる人物。
見どころ

画像:© 2022 LA TOUR / Les Films du Worso
「社会の縮図」としての高層団地
異なる階層・民族・宗教が同じ屋根の下で暮らす集合住宅。
物語の始まりでは、すでに外がブラックホールのようなものに包み込まれており、住民たちは建物から一歩も出ることが出来ないという状況に置かれます。
初めは混乱しながらも住民同士で協力し合おうとするのですが、やがて徐々に人種や立場の違いから不信が生まれ、食料や資材確保のための争いが起きるようになっていきます。
その構造自体がまさに社会そのものの縮図として描かれており、極限状況に追い込まれたとき、人間の本性が露わになっていくようです。
“外の闇”という抽象的恐怖
この映画で印象的なのは、敵がはっきりと存在しないことです。
建物の外を包み込む黒い闇は、ただそこにあるだけで何も説明されません。
何が原因なのか、誰のせいなのか。
そのどれもが不明のまま、じわじわと人々の精神を追い詰めていきます。
この見えない恐怖は、災害や感染、戦争など、現代社会が抱える漠然とした不安の象徴のようにも見えます。
未知のものを恐れ、理解できない他者を排除しようとする。
外の闇そのものよりも、人間の心に生まれた“内側の闇”こそが、最も恐ろしい存在なのです。
ミニマルな舞台で描く閉鎖劇
『ザ・タワー』のほぼ全編は、団地の内部だけで展開されます。
限られた空間、閉ざされた光、そして時間の感覚さえ失われていく中で、観る側も次第に“閉じ込められた気分”を味わうことになります。
演出は徹底してミニマル。
派手な音楽もカットもなく、ほとんどが自然光と低音の環境音だけで構成されています。
その静けさの中で、人々の小さな視線のぶつかり合いや、物音の一つひとつが緊張感を生む。
まるで、空気そのものが観客をじわじわと締めつけてくるようです。
反応まとめ
#野水映画 4/12公開『ザ・タワー』試写にて。
ある日団地の外が謎の闇に包まれ、闇に触れた物体は全て消滅してしまう。
様々な人々が住む団地オンリーディストピア。
皆あの手この手で生きようとするも、生きるより殺される方が簡単なんだよね。だって団地の外に出せば闇が消し去ってくれるから……。… pic.twitter.com/kzoDH5XDCo— 野水伊織@10/17〜舞台『ニュー御釜怪奇譚』配信あるよ (@nomizuiori) April 7, 2024
ザ タワーをみた!こんなに見なくてもいい映画ない笑 何も謎は明かされないし人種間の対立エグいしいやなんか無理あるやろみたいな感じ…犬猫好きな人は絶対見ちゃダメ メンタルにきます pic.twitter.com/H29A7Dun8f
— やむちゃ (@yamchannel) September 24, 2025
サブスク配信状況 (2026年2月 現在)
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配信状況は予告なく変更されることがあり、一部のタイトルは配信終了している可能性もございます。
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まとめ
いかがでしたか?
フランスらしい寓話的なホラーです。
「見えない外界」という設定が、社会の分断や孤立を象徴しているように感じました。
派手な恐怖よりも、人間が恐怖の中でどう変わっていくかに焦点を当てているのが印象的ではあるのですが、あまりにも暗い展開が多く希望が感じられません。
登場人物それぞれの立場や背景がリアルに描かれ、最初は協力し合っていた住民たちが、少しずつ互いを疑い、奪い合うようになる過程にはゾッとしました。
住民たちの中で人種別にチームが組まれていき、秩序とパワーバランスが崩れて奪い合い、女性の人権が守られることなく蹂躙されていく様はまるで「フランスにおける社会のメタファーか、それとも信仰や罪の象徴なのか」と考えずにはいられません。
また、闇の正体を説明しないことで「今のままでは闇から逃れられない」ということの暗示ではないのかと感じました。
派手な展開を求める人には地味に見えるかもしれませんが、静かに崩れていく人間社会の恐怖を描いた作品だと思いました。
ただ、血まみれでグロめのシーンで幼い子どもが泣き叫んでいるシーンがあって、あまりにも泣き方が悲痛すぎて子役として出演させている=お仕事とはいえ、トラウマにならないか心に傷を得ないか心配になりました。
あとやたらと動物の〇体が出てきます!
非常時の食料として、建物内のネズミなどを捕まえるだけでは飽き足らず、ペットまで差し出せと老人を狙うようなシーンもあります。
わんちゃん・ねこちゃんなど動物が〇されるシーンを見たくない人はオススメできない作品となっております。
フランス映画って刺激的で面白い作品も多いのですが、女性のヌードシーンがさらっと描けばいいのにやたらぬめっとしていたり、先にも挙げたように幼い子どもがトラウマを残すのでは?とショックを受けるようなシーンがあったりと、日本人的感覚で楽しみ切れないところがあったりしますね…ものによってはめちゃくちゃ刺さる作品になったりするんだけどなぁ。
エログロナンセンスや鬼畜ものとして許容できるかどうかは見る人それぞれというところではありますが、この作品はそういったものとはちょっと違うかな(残念なほうで)といった感想でした。
こういう感じの終末世界を描いた作品を観たい方は、映画『ディバイド』や映画『ブラインドネス』とかの方がオススメかもしれません。
以上、【映画『ザ・タワー』あらすじ・感想|ブラックホールに包まれたマンションで人間社会が崩壊していく】でした!
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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