映画『クワイエット・フォレスト』深堀り!沈黙と霧のなかで少年が見た“闇”とは?
目次
クワイエット・フォレスト
映倫区分|16+
評価☆☆☆★★
音を立てたら危険。
外の世界には“何か”が潜んでいて、決して森の奥には踏み込んではいけない──。
映画『クワイエット・フォレスト』は、静けさと不安に満ちたポストアポカリプスの森を舞台に、ある家族の閉ざされた日常を描くアートホラーです。
この記事ではネタバレは極力なしで、登場人物やあらすじ、見どころに加え、
監督がこの映画に込めたメッセージについてもYOUTUBE映像を交えたうえで掘り下げてご紹介します。
ということで、最後まで読んでいってくださいね!
原題|
Las tinieblas(スペイン語)=闇
監督|
ダニエル・カストロ・ジンブロン
制作|
ダニエル・カストロ・ジンブロン
デニス・ランゲラン
デビッド・パブロス
製作国|
メキシコ
フランス
配給会社|
株式会社トランスフォーマー
日本公開日|
なし
上映時間|
1時間32分
ホラー映画 心霊描写
あらすじ
荒廃したようにも見える深い森の中で、父と兄、妹と暮らす少年アルヘル。
彼らは「少しでも物音を立てると怪物が襲ってくる」という父の教えのもと、完全な沈黙を強いられている。
ある日、父と兄が狩りに出かけ、戻ってきたのは父だけ。
兄は怪物に連れ去られたという言葉に、アルヘルは疑念と探究心に駆られ、単身で兄を探しに危険な森の外へと足を踏み出す。
その冒険の途上、老人や青年と出会い、父親による脅威や、兄の存在意義、家族の真実が露わになっていく─。
登場人物
アルヘル
演|アリオチャ・ソトニコフ
森で父、兄、妹と暮らす少年。
兄の失踪をきっかけに、恐怖と好奇心の中で成長を遂げていく主人公。
グスタボ
演|ブロンティス・ホドロフスキー
過剰に慎重・偏執的な父。
怪物の危険を強調し、子どもたちを家に閉じ込めることで独裁的な存在にも見える。
マルコス
演|フェルナンド・アルバレス・レベイル
アリヘルの兄。
狩りに出た後、帰らず“あいつ”(怪物)に連れ去られたとされる。
ルシアナ
演|カミラ・ロバートソン・グレニー
病弱な妹。
老人
演|アレハンドロ・ヴィレリ
アルヘルが森の中で出会う2人組の一人。
兄の行方を知っているようなことを言っている。
キッド
演|メラキ・プラディス
アルヘルが森の中で出会う2人組の一人。
老人とともに行動をしている。
見どころ
沈黙の中に息づく「恐怖」
山奥の森の中で静かにひっそりと暮らす父親、兄マルコス、主人公アルヘル、妹ルチアーナ。
荒廃した世界で父親に話すことも、歩くことも、音を立てるような行為は強く制限されて生きています。
家から一歩出れば、音を立てると“あいつ”と呼ばれる怪物がやってきて生きては帰ってこれないという命の危機が迫る中で狩猟したり、農作物を育てながら暮らしていました。
不意に鳴る物音がどれほど恐ろしいか。
ある日、父親と兄マルコスが狩猟に出かけて行くと、兄マルコスが“あいつ”に連れ去られたと言って父親だけが帰ってきます。
主人公アルヘルはマルコスに限ってそんなはずはないと疑い、父親に対して疑心暗鬼の気持ちが膨れ上がっていきます。
そして主人公アルヘルは一人でマルコスを探しに行くことを決意します。
“守る”という名の支配 ― 父と子の緊張関係
アルヘルと父との関係には、信頼と恐怖が混ざり合っています。
父が子どもたちに課した、危険から守るための沈黙のルール。それは果たして愛情なのか、それとも支配なのか。
物語が進むにつれ、父親の言葉が持つ重さと歪みが明らかになり、少年の内なる反抗と目覚めを静かに映し出します。
語られぬ“何か”が、ずっとこちらを見ている
不気味なガスマスクや、歪んだ風景、そして壊れた人形や薄暗い小屋など、断片的に置かれたビジュアルが、見る者に「想像の余白」を残します。
目に見えない“何か”が森の奥でこちらを見ているような、不穏な空気が終始流れ続けます。
“光と闇”を描く三部作としての構想
三部作は物語ではなく“感情の連続”
この映画『クワイエット・フォレスト』は、脚本家でもあるダニエル・カストロ・ジンブロン監督の“感情の三部作”のひとつと位置付けています。
「Tau(太陽)」(2012)
「Las tinieblas(闇)」(本作/2016)
「Sombra(影)」(劇場未公開、ショートムービーは2014)
この2作品の中から映画『クワイエット・フォレスト』を製作したようです。
Tau(太陽)
前作となる「Tau(太陽)」のショートムービーとなります。
(本編は日本での配信が見つかりませんでした)
映画『クワイエット・フォレスト』で父親として登場しているグスタポという人物が、このショートムービーでは生物学者として登場しています。
グスタポは研究のためにとある植物を求めてウィリクタ砂漠へと単身で旅立つのですが、奇妙な出来事に巻き込まれていく──。
といった内容のようです。
Sombra(影)
後作となる、「Sombra(影)」というショートムービーです。
ジュリアンは家を守るため、安全な交通機関を備えています。
何年も経って、ジュリアンは育った家に戻ります。
クローゼットは過去への入り口となり、父親によって引き起こされた辛い記憶に戻ります。
あらすじ部分を翻訳にかけたところ、こう出てきたのですがおそらく役名ジュリアンは映画『クワイエット・フォレスト』でのアルヘルと同一人物なのではないかと感じました。
大人になったアルヘルが育った家へと戻ってくるというストーリーなら是非映像化して欲しいですね。
三部作に通底する“静けさ”と“象徴性”
この三部作に共通するのは、登場人物の台詞や説明をできるだけ抑え、「沈黙」と「映像」だけで語ろうとする演出です。
また、時間や場所を明示しないことで、観客自身の感情や経験を投影できる“寓話的な余白”を残しています。
ひとつの物語としてではなく、体験や印象として“残る”作品群。
映画『クワイエット・フォレスト』となる「Las tinieblas(闇)」は、その中でも最も「闇」の中に身を置くことを観客に求める作品だと言えるでしょう。
反応まとめ
『イット・カムズ・アット・ナイト』もしくはシャマラン系のメキシコ・フランス合作映画。プレイスよりはるかに好きな『クワイエット・フォレスト』。#horrormovies #LASTINIEBLAS pic.twitter.com/2ImV5ROLLP
— ファイブス (@phibes1970) November 1, 2021
「クワイエット・フォレスト」🖤😆
スペイン!とフランス合作。
雰囲気と出てくる小道具がいい🖤
外には怪物がいると言われ父親と病気の妹と3人で山小屋で暮らしているアンヘル…。兄のマルコムが行方不明…
伏線が多くとてもダークな映画🖤
好みが分かれるかな…😊
私はこの終わり方好きです🖤 pic.twitter.com/8C0iKi1CM8— 🐼♡ポンゾンビ🦀KPカニ博士🐼お返事遅いです🐌よろしくです🐼 (@jzombiee) December 11, 2018
『クワイエット・フォレスト』
即死しない邦題シリーズ!森の中の家で暮らす家族が、なんか変。外出するときはガスマスク、何かに怯えながら暮らすけど、その何かとは?兄が森で行方不明になり、弟は不信感ゆえに動き出す……これは難解!#ホラー映画 pic.twitter.com/b0lRxU8E3L
— 伝播ちゃん@怪異伝播放送局&ホラー映画 (@DempaKaii) June 20, 2021
映画紹介
「クワイエット・フォレスト」
フランス、メキシコ合作ホラー。幻想的ながらも不気味な森、そこに暮らす一家、示唆される怪物の存在、意味深に現れる狼と雰囲気は名作のそれである。だが雰囲気だけで中身がない。 pic.twitter.com/fMwBs2eG45— ワニガメコング (@vQGrdWDxuktjA2E) June 16, 2023
サブスク配信状況 (2026年2月 現在)
✔️ 配信中=配信中 🎦 レンタル配信中=レンタル ❌ 未配信=配信なし です。| 配信サービス | 配信状況 |
|---|---|
| Netflix | ❌ 未配信 |
| Amazon Prime | ✔️ 配信中 |
| Hulu | ❌ 未配信 |
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| YouTube | ❌ 未配信 |
本記事で紹介しているサブスクリプションサービスの配信状況は、サブスク配信状況 (2026年2月 現在)
の情報に基づいています。
配信状況は予告なく変更されることがあり、一部のタイトルは配信終了している可能性もございます。
サービスごとに更新頻度や内容が異なるため、視聴を希望される方は、各サブスクリプションサービスでの最新情報を確認することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
割と賛否両論ありそうな作品だなと感じましたが、私は好きな作品でしたね。
薄暮の森の中で響き渡る謎の音、ガスマスクをしないと出られない何かが起きた後のポストアポカリプスの世界。
そこで生き残ったと思われる家族たちの心の中の葛藤を描いた作品であり、またその様子がとても恐ろしくも美しい作品だと感じました。
途中でご紹介したように3部作の一部であるということをふまえると世界観がより深まって魅力的な作品に見えてくるとも思えます。
脚本家でもあるダニエル・カストロ・ジンブロン監督は幼い頃から美術に親しんでいた経験からカラヴァッジョやレンブラントなどの光や影の濃淡を映像に取り入れており、ティルム的で詩的な美しい構図を追求しているようです。
タイトルが映画『クワイエット・プレイス』シリーズと似ているのでパクリ作品かと言われているようですが、
この映画『クワイエット・フォレスト』は2016年製作で、映画『クワイエット・プレイス』シリーズは2018年製作なので、日本で円盤化される際にタイトルを寄せただけのようですね。
少々もったいない気もしますが、タイミング的にも仕方ないのかな。
視聴済みの方も、正直よく分からんかったと思った方も少なくなさそうなのですが、この記事で監督の思いなどがすこしでも伝わればいいなと思います。
まだ見ていないという方も、映像の美しさに注目してポストアポカリプスの世界の中の“光と闇”を感じてみてくださいね。
以上、【映画『クワイエット・フォレスト』深堀り!沈黙と霧のなかで少年が見た“闇”とは?】でした!
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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