【ネタバレ】映画『Nudus』これは夢か現実か。心の深層で起こる裁判劇
目次
Nudus
映倫区分|13+
評価☆☆★★★
2024年に公開された映画『Nudus』は、メキシコの映画監督ギブラン・バザン(Gibrán Bazán)によるサイコロジカル・スリラーです。
白い部屋で目覚めた主人公の女性、記憶があいまいな中で見知らぬ男性に尋問されて…
本作は、デジタル時代におけるプライバシーの喪失と、個人情報の漏洩がもたらす恐怖を描いています。
ということで、最後まで読んでいってくださいね!
原題| Nudus(ラテン語で「裸」の意) 監督| ギブラン・バザン(Gibrán Bazán) 脚本| ギブラン・バザン(Gibrán Bazán) 製作国| メキシコ 日本公開日| 日本未公開 上映時間| 1時間34分
暴力描写 性的描写 精神的・心理的描写
あらすじ
主人公のローラ・コーエンは、昏睡状態から目覚めると見知らぬ真っ白な部屋に閉じ込められていた。
すると、冷酷な男フランツと、謎めいたアジア系の女性による尋問が待ち受けていた。
彼らは、ローラの過去のSNS投稿、通話記録、GPSデータなど、彼女のデジタル履歴をもとに、彼女の内面を徐々に暴いていく。
この部屋の中は、現実と夢の境界が曖昧な空間であり、ローラは自らの分身や恐ろしい存在と対峙しながら、自身の秘密と向き合っていくこととなる─。
登場人物
ローラ・コーエン
演|Carla Hernández
主人公。
記憶があいまいな状態で目が覚める。
フランツ
演|Álex Crusa
ローラを尋問する男。
ローラの他人が知りえない情報を何故か知っている。
謎のアジア系女性
演|Sayaka Yokoyama
フランツの付き人で、ローラに食事などを運ぶ謎のアジア系女性。
ホログラム女性の一人。
演|Myriam Behar
ローラの部屋に表示されるホログラムの映像に映る女性。
ホログラム女性の一人。
演|Vita Vargas
ローラの部屋に表示されるホログラムの映像に映る女性。
見どころ
静かだけど緊張感あふれる“密室ドラマ”
この作品のほとんどは、白くて無機質な一室で進んでいきます。
登場人物同士の会話は落ち着いているのに、だんだんと不安や緊張が高まっていくのがわかります。
派手な音楽も演出もないのに、じっと目が離せない。
主人公ローラに一体何が起きているのか?
濃密な空気に引き込まれます。
主人公の赤ちゃん
主人公ローラはあいまいな記憶の中で、謎の男フランツからの尋問に答えていく中でこの場所で目覚める前の自分自身の最後の記憶が“赤ちゃんの衣服に触れていた”という記憶でした。
ローラは妊娠していたことを思い出し、赤ちゃんは無事なのかを問います。
フランツはローラはずっと眠っていて、ここに来てから10年経つと言っていたので、赤ちゃんが生きていれば9歳か10歳くらいにはなっているはず。
ローラは度重なる尋問の中、部屋の中で眠るときに少女の姿や、謎のアジア人女性の不可思議な行動や恐ろしい姿を夢に見るようになるのです。
SNS時代ならではの“自分の過去に追い詰められる恐怖”
主人公ローラに突きつけられるのは、自分自身の発言や行動の記録。
それが今になって突きつけられ、彼女の人間性がじわじわと崩れていきます。
「覚えてない」「そんなつもりじゃなかった」では通用しない今の社会。
その怖さとリアルさが、静かな物語の中にしっかりと描かれています。
↓ ここからネタバレになります ↓
ご了承ください。
ラストシーンの解釈と意味について考察
何故ローラが白い部屋で目覚めたのか
フランツはローラに対して繰り返し繰り返し尋問を続けていました。
冷徹な様子だったのにローラに優しく接してみたり、ディナーの用意をさせローラにドレスを着せたりとしてきます。
ローラはその様子からフランツに言い寄り、一晩をともに過ごします。
そして“赤ちゃんは無事か?”と再度問いかけるととたんにフランツは冷たく突き放してきます。
ローラはフランツに対して、ディナーに用意されていたワイングラスを割ってフランツに突き立てるのです。
しかし、ローラは取り押さえられてしまいます。
その後、アジア人女性に助けを求めるローラでしたが、アジア人女性は無言で部屋を出て行ってしまいます。
ローラは部屋の監視カメラを見つけ、出された食事を塗りたくり見えなくするとアジア人女性が部屋に慌てて入ってきたので椅子で殴りつけすかさず部屋から出て閉じ込めます。
部屋からついに出ることが出来たローラはこの部屋の秘密を知ることになります。
フランツは、ローラだけが知っている“とある記憶”を求めていたのです。
その記憶を知るためだけにローラを閉じ込めて、その“記憶”を探ろうとしていたのです。
解釈が分かれるラスト
物語の最後、観客にすべてが説明されることはありません。
「これは現実?妄想? もしかして全員…?」といろんな可能性が頭をよぎります。
誰が正しくて、誰が間違っていたのか。
そもそも本当にあった出来事なのかどうかさえ、はっきりしない。
観たあとにモヤモヤ感が残るエンディングでした。
考察(最後まで見た人向け)
本当のラストシーンについて
物語の終盤で主人公ローラは、部屋から脱出することに成功してやっと赤ちゃんと出会うことが出来ました。
しかしフランツがそこへやってきてローラへの思いをぶつけます。
フランツも自身の野望のために犯した罪や、ローラだけが知りえる記憶という情報を得ようとローラを監禁した上に、他の女性たちを脅して働かせたりしていたのは間違いないが、ローラとともに生きることを望んでいると訴えます。
しかし、謎のアジア人女性がフランツに襲い掛かります。
ローラは赤ちゃんを連れ、アジア人女性含む、他の女性たちとフランツの建物から逃げ出すことに成功するのです。
……ですが、本当のラストシーンで映される精神病院のような施設内では、ローラとされていた人物とは違う女性がローラであったり、フランツ自身も患者のような姿で座り込んでいたりとまるで白い部屋で起きていたことが嘘だったかのように終わりを迎えるのです。
これは一体どういうことだったのでしょうか?
ローラとフランツが行っていたやり取りは精神病患者の妄想で、すべて嘘だったのか?
ともすると、赤ちゃんの存在自体なかったことになるのか?
解釈①
解釈のひとつとして、あの「白い部屋」自体が現実ではなく、ローラの内面(精神世界)での出来事でフランツという人物はローラから分裂した人格や良心を象徴していたのではないでしょうか。
ローラが過去に他者を傷つけたり、誤った選択をしていたことは明らかです。
ただしそれは彼女が意識的に悪意を持っていたのではなく、自覚のないまま起こしていた可能性が高いのです。
フランツは、ローラ自身に「自分が何をしたか」を理解させ、反省させようとしているようにも見えます。
その姿勢はどこか裁判官や教師のようでもあり、フランツはあくまで「ローラの覚醒」を目的として行動しているようです。
フランツという存在は「自分を裁く自分自身」なのかもしれません。
フランツが提示する音声記録や通話ログには「赤ちゃん」の存在を示すやり取りが含まれており、現実の証拠のように扱われています。
おそらくローラは実際に妊娠はしていたのですが、過去に「中絶」もしくは「死産」してしまうような出来事から、
「赤ちゃんを失ったことへの罪悪感からローラは精神的に不安定な状態になった」のではないかと考察できます。
解釈②
物語序盤のローラはしきりに自分を正当化したり、被害者であるかのように振舞っている様子がありました。
フランツがローラに「それは本当にあったことか?」と問いかけるような場面が複数見られます。
ラストに向けて、現実と記憶、事実と妄想の境界があいまいになり、ローラ自身もよくわからなくなっているような描写があります。
こういった様子から、ローラが「自分には赤ちゃんがいた」という妄想を信じ込んだうえで自分自身の罪や孤独といった精神的なものを「赤ちゃん」に投影していたのではないでしょうか。
反応まとめ
観た映画:「NUDUS」 pic.twitter.com/MyNYbP8iwO
— トイレのホラーさん (@noroware) May 24, 2025
アマプラのNUDUSっていうスペイン映画は機械翻訳による日本語字幕が雑で、まともに観られない。
金払ってるのにこれは酷すぎるよ、アマプラくん。 pic.twitter.com/XcFMFgmpTK— うたたね🗿 (@yamaotoko678) May 21, 2025
サブスク配信状況 (2026年2月 現在)
〇=配信中 △=レンタル ×=配信なし です。
| 配信サービス | 配信状況 |
|---|---|
| Netflix | × |
| Amazon Prime | 〇 |
| Hulu | × |
| U‐NEXT | × |
| YouTube | × |
本記事で紹介しているサブスクリプションサービスの配信状況は、サブスク配信状況 (2026年2月 現在)
の情報に基づいています。
配信状況は予告なく変更されることがあり、一部のタイトルは配信終了している可能性もございます。
サービスごとに更新頻度や内容が異なるため、視聴を希望される方は、各サブスクリプションサービスでの最新情報を確認することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
2024年に公開されたメキシコ映画『Nudus(ヌードゥス)』は、静かに進んでいくけれど、観ているうちにどんどん息苦しくなるような不思議な緊張感をもった作品です。
監督はヒブラーン・バサン(Gibrán Bazán)、主演はアンドレア・マーテル(Laura役)。日本からは女優・横山さやかさんも出演されています。
作中、主人公ローラと謎のアジア人女性の日本語での会話が少し出てきます。
日本語を起用したのは横山さやかさんが出演しているのも理由のひとつだと思いますが、日本語や漢字といったものが国外の方には神秘的で不思議な感じがするのでしょうか。
SNSやデジタルデータがあたりまえになった今だからこそ、この映画『Nudus』はその危険性の警鐘を鳴らしているようにも感じられます。
「過去の自分」が、自分自身を追い詰める日が来るかもしれない…。そんなゾッとするようなテーマを、静かに鋭く描いた一作です。
それに終わり方について、観る方によって違うのではと思いました。
この記事で書いた解釈と違う感想を持った方は、是非コメント欄に書き込んでみてください。
気になった方は、ぜひ観てみてくださいね!
以上、【【ネタバレ】映画『Nudus』これは夢か現実か。心の深層で起こる裁判劇】でした!
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
筆者の励みになります!






